宇宙船の乗員のなかに、人間のふりをした敵がまぎれ込んでいる。誰が仲間で、誰が「グノーシア」なのか、手がかりは会話だけ。あやしい相手を一人ずつコールドスリープで眠らせ、船から追放していく。あの『グノーシア』の世界が、ついに舞台化。
『グノーシア ザ・ライブプレイングシアター』。2026年8月21日(金)から9月6日(日)まで、東京・飛行船シアター(スタァライト劇場)で全21ステージが上演されます。
人狼好きに真っ先に伝えたいのはここ。会議パートは全公演アドリブ、制作協力はあの「人狼TLPT(人狼 ザ・ライブプレイングシアター)」です。結末を決めた台本はありません。役者が本気で疑い合う、生の心理戦が舞台の上で繰り広げられます。
原作『グノーシア』のキャッチコピー「疑うな。畏れるな。そして知れ。」を受け継ぎながら、本作では「疑うな、畏れるな これはまだ誰も知らない、たった一度の知識(ものがたり)」という舞台版独自のキャッチコピーを掲げている。TLPT形式ならではの、二度と同じ結末にならない物語性を象徴する一文だ。
『グノーシア』ってどんな作品?

『グノーシア』は宇宙船の乗員にまぎれた人類の敵グノーシアを、話し合いで一人ずつコールドスリープに送っていく、人狼ゲームをベースにしたプチデポット制作のSFシミュレーションゲームです。
面白いのは、時間がループしている設定です。プレイヤーは同じ航海を何度もやり直しながら、少しずつ状況を変えていきます。あるループでは味方だったキャラクターが、別のループではグノーシアとして立ちはだかる。信じていい相手が毎回変わるので、記憶と観察だけを頼りに、船の全員と何度も向き合うことになります。
人狼ゲームというと「大人数を集めないと遊べない」「初心者はすぐ吊られて終わる」という壁があります。『グノーシア』はそこを、この繰り返しの構造で乗り越えました。負けても時間が巻き戻り、また次のループへ。少しずつ真実に近づいていく感覚がクセになり、人狼未経験者まで巻き込み、大きな話題となりました。2025年にはTVアニメ化もされ、その魅力は原作を知らない層にも一気に広がっています。
その“何度もやり直す会議”を、生身の役者たちが舞台上で紡いでいく。本作は、『グノーシア』ならではの魅力をライブエンターテインメントへと落とし込んだ作品です。
見どころ①:会議パートは全公演アドリブ

キャストは開演の直前、配られたカードで自分の立場をはじめて知ります。乗員なのか、グノーシアなのか、はたまたエンジニアのような特殊な役どころなのか。だから毎公演、盤面がまるごと変わる。ある公演では序盤でコールドスリープとなったキャラクターが、別の公演では終盤まで生き残り議論を牽引することもある。誰が疑われ、誰が信頼されるのか。その構図は毎回大きく変化します。
さらに本作では、公演ごとに実施されるフェーズが異なります。同じ作品でも、公演によってまったく異なるゲーム展開が生まれるのが大きな特徴です。
フェーズ①では5人・7人・9人による比較的コンパクトな議論が展開され、わずかな発言の違和感が勝敗を左右します。フェーズ②では13人、フェーズ③では15人へと規模が拡大。登場人物や情報量が増えるにつれ、思惑はより複雑に絡み合い、会議は濃密な心理戦へと発展していきます。
しかも会議パートは全てアドリブなので、役者自身も結末を知りません。追い詰める側も、追い詰められる側も、その場で必死に頭を回している。作り込まれた芝居とはまた違う、生々しい緊張感がずっと客席に伝わってきます。会議パートの制作協力に入るのは、2012年から通算80公演を重ねてきたアドリブ人狼舞台「人狼TLPT」。心理戦の作り込みは折り紙つきです。まとめるのは演出の松崎史也さん、脚本は池永英介さん。原作の空気と、この一回性を、どう1本の舞台に成立させるのか。その仕上がりにも注目したいところです。
見どころ②:豪華キャスト&Wキャスト
主演はユーリ役の設楽銀河さん、セツ役の生田輝さん。ほかの主要キャラクターは日替わりのWキャストで上演され、組み合わせによって会議の空気も変わります。
| キャラクター | キャスト |
|---|---|
| ユーリ | 設楽銀河 |
| セツ | 生田輝 |
| SQ | 伊藤優衣/佐當友莉亜 |
| ラキオ | 田口涼/永石匠 |
| ジナ | 寺島絵里香/七海とろろ |
| しげみち | 石井由多加/柳木ガリ |
| ステラ | 星波/中村裕香里 |
| 夕里子 | 田上真里奈/春咲暖 |
| コメット | 御寺ゆき/はぎのりな |
| シピ | 高地真吾/澤田拓郎 |
| ジョナス | 谷口賢志/古屋敷悠 |
| ククルシカ | 野元空/橋本彩花 |
| オトメ | 椙山さと美/林千浪 |
| レムナン | 健人/田口司 |
| 沙明 | 川上将大/平賀勇成 |

同じキャラクターでも、演じる人が変われば嘘のつき方も追い込み方も変わります。「このキャラをこの人が演じたら、どんな騙し合いになるのか」。推しの組み合わせを狙って複数回通う、という楽しみ方もありそうです。全21ステージ、同じ会議は一つとしてありません。





